ソファの読み物
ソファの寿命は何年か
7年から10年。ソファの寿命として、よく見かける数字です。
間違いではありません。ただ、ソファは全体が同じ速さで古びるものではありません。先に傷む場所があり、あとまで残る場所があります。
「7〜10年」は、何の年数か
ソファの寿命を調べると、7年から10年という数字に行き当たります。
その数字が指しているのは、多くの場合、座面が沈み始め、張り地が擦れてくる時期です。ソファそのものが使えなくなる年数ではありません。
どこが先に傷み、どこが最後まで残るのか。順番が分かれば、買い替えるのか、直して使うのかを、ご自身で判断できます。
判断材料
この記事で分かること。ソファの法定耐用年数。傷む順番。買い替えを考える四つのサイン。へたりを直せる条件。表面が剥がれる理由。
国が定めた年数は、8年
公的な年数があります。減価償却資産の耐用年数を定めた省令の、応接セットという区分です。
| 区分 | 耐用年数 |
|---|---|
| 応接セット(接客業用のもの) | 5年 |
| 応接セット(その他のもの) | 8年 |
| その他の家具(主として金属製のもの) | 15年 |
| その他の家具(その他のもの) | 8年 |
出典:国税庁「耐用年数(器具・備品)」
ただしこれは、費用を何年に分けて計上するかという会計上の年数です。8年で壊れるという意味ではありません。家庭で使うソファの実際の寿命は、この数字とは別に考える必要があります。
判断材料
年数で判断しない。どこが先に傷み、それを直せるかで判断する。
ソファは、全体が同時に終わらない
ソファを三つの層に分けると、傷む順番が見えてきます。
先に傷む|張り地
毎日、肌と衣服が触れる場所です。擦れ、色の変化、破れ。最初にくたびれたと感じるのは、たいていここです。
次に傷む|クッション材
体重を受け止め続ける層です。ウレタンは圧縮と復元を繰り返すうちに、少しずつ戻る力を失います。沈み込みが深くなり、立ち上がりにくくなります。
最後まで残る|骨格
フレーム、脚、接合部。ここが崩れると、もう直せません。逆にここが健全であれば、上の二つは更新しながら使い続けられます。
ソファの寿命とは、骨格の寿命のことです。張り地とクッションの傷みは、寿命ではなく消耗です。
買い替えを考えるサインは、四つ
1|座ったあとのへこみが、戻らない
立ち上がって数分たっても座面の形が戻らないなら、クッション材が復元力を失っています。
2|座ると音がする
きしみ、ぎしぎしという音。接合部が緩んでいます。締め直せる構造なら直りますが、接着だけで組まれていると手が入りません。
3|表面が粉のように剥がれる
合成皮革に起きる現象です。次の章で触れます。
4|座らなくなった
機能ではなく、気持ちの問題です。けれど家具としては、これがいちばん確かなサインかもしれません。
判断材料
1と3は、多くの場合「部分の寿命」です。買い替えを考える理由になるのは、2(骨格の緩み)と4です。
へたりは、寿命ではありません
ソファがへたってきた、というご相談は、寿命の話として持ち込まれることが多いものです。
けれどクッション材は、本来入れ替えられる部品です。カバーが取り外せて、中材に手が届く構造であれば、座り心地は戻せます。
問題は、それができないつくりのソファが多いことです。張り地が本体に縫い付けられ、中材が固定されていれば、座面だけを直すことはできません。結果として、骨格がまだ健全なのに全部を買い替えることになります。
へたりで寿命が決まるのではありません。へたりを直せない構造が、寿命を決めています。
粉のように剥がれるのは、合成皮革
ソファがボロボロになった、という言葉で調べる方の多くが、この現象に直面されています。
合成皮革は、布地の上に樹脂の層を貼った素材です。この樹脂は空気中の水分によって少しずつ変化します。加水分解と呼ばれる変化で、使っていなくても進みます。
進むと表面がひび割れ、粉状に剥がれ落ちます。日当たり、湿度、使用頻度で速さが変わるため、何年でこうなるとは言えません。ただ、避けられる変化でもありません。
本革は手入れをすれば長く保ち、布は擦れが風合いとして馴染みます。合成皮革は水や汚れに強く扱いやすい一方、表面の変化は避けられません。素材ごとに、得意なことと変わり方が違うだけです。
大事なのは、どの素材が優れているかではありません。変化が来たときに、そこだけを扱えるかどうかです。張り地が本体に縫い付けられていれば全部の買い替えになりますが、カバーが取り外せる作りなら、その部分で済みます。
寿命を決めるのは、替えられない場所
ここまでを、ひとつの表に整理します。
| 部位 | 傷む速さ | 直せるか |
|---|---|---|
| 張り地 | 早い | 張り替えられる(構造次第) |
| クッション材 | 中くらい | 入れ替えられる(構造次第) |
| 骨格(フレーム・接合部) | 遅い | ここが終わると、ソファが終わる |
長く使えるかどうかは、価格でも素材の名前でもありません。替えられない場所が、どう作られているかです。
判断材料
見るべきは三点。骨格に何を使っているか。接合を締め直せるか。座面に手が入るか。
直しながら使う前提で作っています
当社のソファは、背もたれと肘掛けに一枚板の天然木を使っています。座面はウレタンクッション、脚は木製です。
木部は、再研磨と再塗装で戻せます。傷や表面の変化が出ても、削り直して塗り直すことができます。一枚板のテーブルで続けてきた方法を、そのままソファにも用います。
座面クッションは、中材の交換に対応しています。カバーは全商品で取り外せます。洗える生地もお選びいただけます。
保証は、ご購入から1年以内であれば修理費が無償です(お送りいただく際の配送費のみご負担いただきます)。1年を過ぎたあとも、有償で修理を承ります。
一枚板は、同じものが二つとありません。傷んだから同じものに買い替える、ということができない家具です。直しながら使えることは、選択ではなく前提でした。
実物で確かめる
沈み込み方、木部の表情、空間に置いたときの落ち着き方。写真では伝わりにくいところがあります。
愛知県の津島店・長久手店に、一枚板のソファを置いています。遠方の方には、オンラインでのご相談も承っています。
ご来店の前にご希望の一枚をお伝えいただければ、その板をご用意してお待ちします。
ソファの寿命は何年ですか?
一般には7年から10年と言われます。国が定めた耐用年数(応接セット・その他のもの)は8年ですが、これは会計上の年数で、壊れるまでの年数ではありません。
実際には張り地・クッション材・骨格で傷む速さが違います。骨格が健全であれば、上の二つを更新しながら使い続けられます。
ソファの法定耐用年数は何年ですか?
減価償却資産の耐用年数を定めた省令では、応接セットは接客業用のものが5年、その他のものが8年です。その他の家具は、主として金属製のものが15年、それ以外は8年とされています。
座面がへたってきました。買い替えるべきですか?
へたりの多くはクッション材の復元力が落ちたもので、ソファ全体の寿命ではありません。カバーが取り外せて中材に手が届く構造であれば、座り心地は戻せます。
ただし、座ったときにきしみや緩みを感じる場合は骨格の問題です。こちらは買い替えを含めてご検討ください。
合皮のソファが粉のように剥がれてきました。直せますか?
合成皮革の表面の樹脂が変化した状態です。張り替えそのものは可能ですが、同じ合成皮革に替えれば、また同じ変化が進みます。
布や本革への変更もあわせてご検討ください。なお、カバーが取り外せる作りであれば、傷んだ部分だけを扱えます。
買い替えの時期を見分けるサインはありますか?
座ったあとのへこみが戻らない、座ると音がする、表面が剥がれる、座らなくなった。この四つです。
このうち音(接合部の緩み)は骨格の問題で、買い替えを考える理由になります。へこみと剥がれは、多くの場合は部分の傷みです。
木製ソファは長持ちしますか?
木製であることだけでは決まりません。無垢材か合板か、接合を締め直せるか、座面に手が入るかで変わります。
骨格が健全であれば、張り地とクッションを更新しながら長く使えます。















