設計者のための一枚板

ARCHITECT GUIDE

設計者のための一枚板

図面に落とすために必要な数字を、すべて公開します。

実在庫600点以上の実測データにもとづく資料です

このページに書いてあること

一枚板の実寸(幅・奥行・厚み)、推定重量、含水率と乾燥期間、脚の仕様、搬入と設置の条件、納期、価格帯。設計判断に必要な数字を、カタログの規格ではなくいま展示場にある板の実測値で示します。

一枚板は、図面に一本の線で描けない。

耳を残した一枚板は、手前と奥で奥行が違います。在庫を実測したところ、8割以上の板で奥行が50mm以上変動していました(変動幅の中央値120mm、最大480mm)。

つまり平面図に一本の線を引いて「D800」と書くことができません。最大奥行で当たりを取り、狭い側に余白が生まれることを前提に納めます。この一点を最初にお伝えするのは、後の手戻りが最も大きい部分だからです。

以下、図面に落とすために必要な数字をすべて公開します。

一枚板は、図面に一本の線で描けない。

一枚板が空間の核になる理由

空間設計における核とは、その場所に入った人の視線を受け止め、空間の性格を定義する要素です。カフェならカウンター、オフィスなら会議テーブル、ホテルならロビーの中心テーブルがその役割を担います。

既製品家具は機能と納期の安定性に優れますが、他の空間にも同じ製品が存在します。一方、一枚板は天然木から切り出した一枚の板であり、同じものが存在しません。この個体性が、空間にここにしかない意味を与えます。

また、一枚板は経年変化します。使うほどに色が深まり、表情が変わることで、その場所とともに時間を重ねる存在になります。これは見た目の華やかさではなく、空間の時間軸をつくる設計価値です。

一枚板が空間の核になる理由

乾燥と含水率

反りと割れは、乾燥で決まります。

比較軸 一枚板 無垢材 集成材 量産家具
個体性 唯一無二 木種依存 低い なし
空間象徴性 非常に高い 中程度 低い 低い
耐久性 非常に高い 高い 中程度 素材による
経年変化 深まり・味が出る 深まる 少ない 劣化方向
サイズ自由度 在庫依存 高い 高い 規格限定
再研磨・更新 可能 可能 困難 不可

在庫の含水率と乾燥期間を、個体ごとに記録しています。

  • 含水率 3.0% 〜 15.0%(中央値 7.2%)
  • 乾燥期間 1年 〜 8年(中央値 7年)
  • 乾燥方法 天然乾燥 + 人工乾燥

一枚板と、無垢材を接ぎ合わせた天板は別のものです。接ぎ合わせは寸法の自由が利く代わりに木目が途切れます。一枚板は木目が端から端まで連続する代わりに、寸法は板が決めます。設計の起点が「寸法」か「素材」かで、選ぶべきものが変わります。

実在庫の寸法

カタログの規格ではなく、いま展示場にある板の実測値です。常時600点以上を在庫しています。

  • 幅(W) 500mm 〜 3,000mm(中央値 1,690mm)
  • 奥行(D) 狭い側 190〜1,110mm / 広い側 335〜1,280mm(同じ板の中で変動します)
  • 厚み(T) 30mm 〜 105mm(中央値 50mm)
  • 高さ(H) 脚の仕様で決まります(後述)

幅の分布は次の通りです。1,500〜2,100mmに在庫が集中しています。

  • 1,200mm未満    約1割
  • 1,200〜1,500mm  約1割
  • 1,500〜1,800mm  約4割
  • 1,800〜2,100mm  約3割
  • 2,100mm以上    約1割(最大3,000mm)
実在庫の寸法

重量・搬入・設置

推定重量(天板のみ)
体積と樹種ごとの比重から算出した概算です。個体差により前後します。正確な値が必要な場合は、個体を特定のうえお出しします。

  • 幅1,200mm未満   約17kg(8〜33kg)
  • 幅1,200〜1,500mm 約25kg(11〜53kg)
  • 幅1,500〜1,800mm 約36kg(10〜64kg)
  • 幅1,800〜2,100mm 約44kg(15〜84kg)
  • 幅2,100〜2,400mm 約62kg(30〜105kg)
  • 幅2,400mm以上   約71kg(51〜130kg)

同じ寸法でも樹種で重さが変わります(比重:欅0.69/ウォールナット0.62/モンキーポッド0.56/栃・楠0.52/ポプラ0.45)。

搬入
天板と脚は別々に搬入します。脚を固定するための加工(穴あけ・ダボ)は販売価格の中で済ませた状態でお届けします。

設置
天板幅1,200mm以上は、開梱から組み立て・設置・梱包材の回収まで対応します(価格に含まれます)。1,200mm未満は最後の組み立てのみお客様側で行っていただきます(工具が不要な場合がほとんどです)。全国配送料は価格に含まれます。

重量・搬入・設置

脚・高さ・引き渡し後

脚と高さ
鉄製脚は高さの変更ができます。ダイニング・カウンター・デスクの場合、600〜800mmは無料、801〜1,000mmは+¥11,000です。木製脚は既定の高さになります。

納期
ご注文から通常1〜2か月。着工スケジュールに合わせて調整します。

引き渡し後
1年間の修理費無償保証に加え、生涯にわたる再生保証をご用意しています。年月を経て傷がついた場合も、再研磨・再塗装で蘇らせることができます。施主に「一生使えます」と言い切れる根拠として、設計者の側でもお使いください。

脚・高さ・引き渡し後

用途別導入例

一枚板は用途ごとに求められる性能と仕様が異なります。カフェのカウンターでは質感と耐水性、ホテルのロビーでは象徴性、オフィスでは企業姿勢を伝える会議テーブルとしての役割が強くなります。住宅では家族の時間の中心となる家具として機能します。

カフェ・喫茶店

カフェ・喫茶店

ホテル・宿泊施設

ホテル・宿泊施設

オフィス・会議室

オフィス・会議室

設計段階からご相談ください

板は一点物です。図面が固まってから探すと、寸法に合う板が無いことがあります。反対に、板を先に決めれば、その板を活かす設計ができます。

  1. 図面・用途・希望寸法をお送りください(メール可)
  2. 条件に合う板を在庫から抽出し、寸法・重量・価格をお返しします
  3. ショールームで実物をご確認ください(設計者の方のみのご来場も歓迎です)
  4. 脚・高さ・仕上げを決定。図面に落とし込みます
  5. 着工スケジュールに合わせて納品・設置します

設計時によくいただくご質問

図面に奥行を一本の線で描けますか?

描けません。耳付きのため手前と奥で奥行が異なります(在庫の8割以上で50mm以上変動、中央値120mm)。最大奥行で当たりを取ってください。

床の補強は必要ですか?

天板の推定重量は幅1,800〜2,100mmで約44kg(15〜84kg)、2,400mm以上で約71kg(51〜130kg)です。脚で分散されるため、一般的な住宅の床では補強が不要な場合が多いですが、判断は設計者様にお願いしています。個体を特定いただければ算出値をお出しします。

希望の寸法に合う板はありますか?

幅は500〜3,000mm、1,500〜2,100mmに在庫が集中しています。ご希望の寸法をお伝えいただければ、在庫から該当する板を抽出してお送りします。

納期はどれくらいですか?

ご注文から通常1〜2か月です。着工スケジュールに合わせて調整します。

施主にいくらと伝えればよいですか?

在庫の価格帯は¥64,900〜¥4,279,000、中央値は約¥40万です。ダイニングテーブルは¥20〜80万が中心になります。全国配送料は価格に含まれます。

設計者だけで見に行ってもよいですか?

歓迎します。施主をお連れになる前に、実物と加工場をご覧いただくことをおすすめします。600点以上を常時展示しており、素材の引き出しとしてご活用いただけます。

まず、実物を見にいらしてください。

一枚板は写真では判断できません。設計者の方だけのご来場も歓迎しています。図面や条件が決まっていない段階でも構いません。