
歪みに咲く端正な直線
KIDO MEIMOKUの名品
No.1522 神代欅一枚板
ゆるやかなうねりをまといながらも、天板の中央を貫く輪郭はあくまで凛と整っていて、神代欅の時間を孕んだ肌が、その静けさを深く包み込んでいます。見る角度によってわずかに表情を変える曲線が、日常の動作のなかでふと心をとらえ、使うたびに新しい印象をもたらします。素直さと個性が拮抗するこのかたちは、あらゆる空間に柔らかく溶け込みながら、芯を持って佇み続けます。
重なりあう記憶が、木肌をめぐる

端正に揃った年輪の中に、ときおり奔放な揺らぎを含んだ杢目が入り混じり、過ごした年月の重なりをまざまざと浮かび上がらせています。割れや裂けすらも素材の一部として取り込みながら、神代欅の生命は端から端まで豊かに流れています。やわらかな色合いに潜むこの緊張感が、ただの美しさにとどまらない奥行きをもたらし、部屋に置かれたその瞬間から空気の質さえ変わっていきます。

【 杢目・年輪 】
中央から放射状に広がる緻密な年輪の流れが、この一枚に刻まれた時間の深さを物語っています。かつて地中に眠っていた神代木ならではの濃淡と、乾燥による自然なひびが交差することで、木目は一様ではなく、奥行きのある模様へと昇華しています。蝶々型のちいさな木片によって補われた割れが、その歴史を包みながら、素材への敬意をそっと添えています。


【 色合い 】
全体を包む色調はやや赤みを帯びた穏やかな茶。落ち着きのある色味が、暮らしのなかに深い安心感を与えてくれます。明るすぎず暗すぎない中庸のトーンにより、空間に馴染みながらも確かな存在感を保ちます。色の濃淡は見る位置や光の加減によって変化し、そのたびに木肌の奥行きが現れ、静かに人の目を引き寄せます。

【 天板の厚み 】
控えめな厚みに仕上げられたこの板は、軽やかさを感じさせながらも頼りなさを一切感じさせません。見た目に圧迫感を与えず、部屋の広がりを保ったまま木の力強さを宿してくれます。天板の縁に目をやれば、厚みがあるからこそ生まれる立体感があり、真横からの視線にも美しい存在感をたたえています。

【 耳・皮 】
耳部分は、職人の手でじっくりと磨き上げられた凹凸の残る輪郭が印象的です。削りすぎることなく、素材がもともと持っていた波打つようなかたちを尊重しながら、触れたときに優しく馴染むよう仕上げられています。人工的な直線ではなく、自然そのままのリズムを活かしたこの耳が、テーブル全体に柔らかい陰影を与え、空間に豊かな表情をもたらします。視覚と触覚のどちらにも訴えかけてくるその感触は、使うごとに愛着を深めてくれるでしょう。


【 機能性・使いやすさ 】
横幅は2人がゆったりと並び、最大で4人までが自然に囲めるサイズ感です。奥行きは一方の端がすこし広がる非対称なラインで、座る位置によって使い方の幅が広がります。壁付けでの設置や、お部屋の中心に配置しての使用にも適しており、限られたスペースでも美しく調和します。会話の中心に自然とこのテーブルがあり、食事も仕事も、気づけばここに集まる時間が日常になっていきます。

【 耳・皮加工 】
自然の輪郭を活かす、耳の仕立て
この一枚は、木の外皮に近い「耳」部分を丁寧に整えています。自然がつくった曲線や凹凸には、その木ならではの力強さと個性が宿ります。その表情を壊さぬよう、滑らかさだけを加えるように手作業で加工。
荒々しさと肌触り、そのどちらも損なわずに仕上げることで、唯一無二の存在感が生まれます。
「整える」のではなく、「そのままを活かす」ための、繊細な仕事です。