
包み込まれるような存在感
KIDO MEIMOKUの名品
No.1890 栃一枚板
広い空間にふわりと浮かぶような佇まいが印象的です。力強さを内に秘めた大らかな板目と、外側へとひろがる白太のやわらかさがひとつに溶け合い、まるでそこに昔から在るかのように自然と部屋になじみます。角のない優美な曲線が心をほどき、家族の時間を穏やかに支えてくれます。
木目の中に風が吹いている

中央を走る杢がやさしく揺れて見えるのは、木が育った日々の証のようにも感じられます。年輪の重なりが織りなす流れには、一定のリズムだけでなく、そのときどきの環境や光、風の記憶が刻まれています。淡く、しかし確かな存在感を放ちながら、見るたびに異なる表情を見せてくれるのも、この板の魅力のひとつです。

【 杢目・年輪 】
波打つように淡く連なる縞模様が、この栃の持つ魅力を一層引き立てています。木目の中にすっと入り込んだ濃淡の流れは、樹の成長のなかで生まれた自然のいたずらとも呼べるものです。緩やかな年輪の中に、ふと現れる節や筋が空間にリズムを与え、日々の何気ない時間さえも丁寧に味わいたくなるような、そんな穏やかさがあります。


【 色合い 】
ほんのりと赤みを含んだ淡い飴色が、どこか懐かしく安心感のある佇まいをつくっています。白太の柔らかいトーンと、芯の部分に見られるやや濃い飴色の対比が、この一枚の奥行きをより一層深くしています。昼と夜、季節によって色味の印象がゆっくりと変わっていくのも、長く使うほどに愛着が増す理由です。

【 天板の厚み 】
しっかりと厚みを持ったこの一枚は、視線を落とすたびに重厚な安心感を感じさせてくれます。天板の縁にほんの少し陰が落ちることで、立体感がより際立ち、空間に静かな迫力が加わります。過度に主張せずとも、空間の中心として自然と人が集まり、そこにあることが日常になる。そんな安定感のある佇まいです。

【 耳・皮 】
側面には、自然のままの曲線が大切に残されています。手仕事で磨かれたそのラインは、まるで水の流れを閉じ込めたように柔らかく、どこを触れてもすっと手になじむ肌ざわりです。人工的な直線では決して得られないこの表情は、職人が一つひとつ木の声に耳を澄ませながら、無理のないかたちで仕上げたもの。自然と人の手が織りなす、心地よい緊張感と温もりが同居しています。


【 機能性・使いやすさ 】
8人がゆったりと過ごせる広さがあり、大人数の集まりにも心強い存在です。奥行きにも余裕があるため、向かい合う人の距離が近すぎず、お互いの気配を心地よく感じながら過ごすことができます。たとえば休日のブランチや、季節ごとの行事をこの場所で囲むことで、何気ないひとときが記憶に残る時間へと変わっていきます。

【 一枚板のカット 】
その一枚に最適なかたちを見極める
この一枚は、天板として美しく納まるよう、両端を慎重にカットしています。全体のバランスや木の状態を見ながら、どこを残し、どこを落とすかを判断。たった数センチの違いが、仕上がりの印象を大きく左右します。
木目の流れを活かし、使う人の暮らしに自然と溶け込むサイズへ。
それぞれの木にとって最もふさわしい「かたち」を探しながら、丁寧に刃を入れています。