
穏やかな輪郭に心ほどける
KIDO MEIMOKUの名品
No.1888 吉野杉一枚板
柔らかな曲線を描く端部に目が留まります。鋭さのないこの一枚は、部屋に自然と馴染みながら、空間にやさしい緩和をもたらします。視界に入るたびに、その形がどこか安心を誘い、触れたくなる衝動を呼び起こします。
木目に吸い込まれる昼下がり

乾いた陽射しのように広がる木目は、まるで流れるように連なり、中央へと視線を誘います。どこかで見た風景のようでありながら、目の前の板にしか存在しない特別さを帯びています。日々の暮らしの中で、ふと目を留めるたびに、心が落ち着いていく感覚を覚えます。

【 杢目・年輪 】
年輪の積層が織りなすのは、一本の木が長い時間をかけて蓄えてきた記憶です。中心から外側へ、少しずつ色味を変えながら伸びるこの木目は、成長の軌跡そのもの。過去と現在が一枚に重なり合うその面には、確かな時間の手触りが刻まれています。


【 色合い 】
吉野杉らしい赤身と白太の対比が美しく、自然の境目が穏やかに混じり合っています。温かみのある黄褐色と赤褐色が互いを引き立て、空間全体を明るく包み込みます。過度な主張はなくとも、木の持つ静かな魅力がそこに満ちています。

【 天板の厚み 】
厚みをしっかりと感じさせる天板は、見た目の印象にどこか落ち着きを与えてくれます。視覚的にも安定感があり、置かれた場所の空気を引き締めながら、木の存在感を静かに伝えてきます。その存在が、暮らしの中心に自然と寄り添います。

【 耳・皮 】
この一枚に宿る自然の造形をそのまま残した耳には、機械的な加工では再現できない揺らぎがあります。丸みやえぐれ、小さな起伏が連なり、あたかも木が生きていた頃の姿を今に留めているかのようです。一つとして同じ形はなく、すべてが一期一会の出会いです。


【 機能性・使いやすさ 】
読書のひとときや湯呑みを手にする時間が、このリビングテーブルのまわりで静かに流れていきます。広すぎず狭すぎない奥行きは、部屋を圧迫することなく、落ち着いたバランスを保ちます。四人で囲むにも無理がなく、穏やかな距離感のまま団らんの場を作ってくれます。日常の中にふっと溶け込みながら、その佇まいで心を整えてくれる存在です。

【 一枚板のカット 】
その一枚に最適なかたちを見極める
この一枚は、天板として美しく納まるよう、両端を慎重にカットしています。全体のバランスや木の状態を見ながら、どこを残し、どこを落とすかを判断。たった数センチの違いが、仕上がりの印象を大きく左右します。
木目の流れを活かし、使う人の暮らしに自然と溶け込むサイズへ。
それぞれの木にとって最もふさわしい「かたち」を探しながら、丁寧に刃を入れています。