
節と流れに刻まれた造形美
職人の確かな手で仕上げる逸品
No.1887 吉野杉一枚板
淡い紅色と白太のコントラストが目を引く一枚です。中央を貫く大きな節と緩やかなうねりが、自然の造形そのままの存在感を放っています。華やかな印象でありながら重たくならず、空間を軽やかに演出してくれます。
木肌をめぐる、吉野杉ならではの表情

艶を抑えた優しい木肌に、吉野杉らしい柔らかな年輪の流れが溶け込んでいます。中央の節を中心に広がる曲線には、樹齢の積み重ねがそのまま刻まれており、長く寄り添いたくなる深みがあります。どこを見ても均一ではなく、だからこそ心地よく、視線を預けてしまいたくなる板です。

【 杢目・年輪 】
素直な年輪の中に、節や入り皮が複雑に絡み合い、吉野杉の個性がしっかりと現れています。伐採された木が山でどのように育ったのかが伝わるような、生命の記録のような模様です。荒々しさと清らかさが同居するこの表情は、一枚板ならではの醍醐味です。


【 色合い 】
芯に近い部分の赤身が艶やかに映え、外側へと淡い白太が広がっていく構成です。色の変化が緩やかなグラデーションになっており、派手さは抑えつつも目を引く華やかさがあります。明るい空間にも馴染み、日常の中で自然と視線が集まる存在になります。

【 天板の厚み 】
面を取らずしっかりと厚みを残した天板は、見た目にも重厚感があります。木口の力強さが印象に残り、テーブルとしての安心感を与えてくれます。部屋に置いたとき、家具というよりも“木”としての存在感を保ちながら、空間の重心として整えてくれます。

【 耳・皮 】
耳の仕上げは、あえて凹凸を残した自然形。山の中で育った吉野杉の樹皮に近い表情を活かし、手作業で磨き上げています。硬さを感じさせず、手で撫でたくなるような柔らかな曲線に仕上がっており、直線的なエッジとは異なる、穏やかな余白を空間にもたらします。


【 機能性・使いやすさ 】
二人で座っても、ゆったりとした余白が感じられるサイズ感です。来客時に4人で囲んでも窮屈さがなく、日々の食卓から特別なひとときまで、幅広く使えます。小ぶりながらも豊かな表情をもつこの一枚は、限られたスペースにも調和し、暮らしの中に自然な温もりをもたらします。

【 仕上げ研磨 】
杢目を際立たせる、最後のひと削り
この一枚は、木肌と杢目を美しく浮かび上がらせるための仕上げ研磨を施しています。5段階に分けてサンドペーパーの細かさを調整しながら、力を均一に、ゆっくりと全体にかけていきます。磨くたびに杢目が徐々に姿を現し、木そのものが持つ美しさが際立っていく工程です。
表面がさらりと手になじむ感触になるまで、妥協なく丁寧に仕上げていきます。
これにて、板はようやく「触れて美しい」存在へと昇華されます。