
波打つ輪郭に心がほどける
KIDO MEIMOKUの名品
No.1878 栃一枚板
ゆるやかに揺れながら伸びる輪郭が、空間にやさしい流れを生んでいます。角のないそのかたちは、どこか懐かしさを含んだ安心感を与えてくれます。床に近い目線で触れるこの天板は、住まう人の呼吸に寄り添い、穏やかな時間を届けてくれます。
自然が描いた静かな物語

木が生きていた頃の痕跡が、天板全体に広がっています。淡くにじむような変色や節、わずかな揺らぎも、すべてが自然のままの出来事。どの部分にも意味があり、ひとつとして無駄がないように思えます。眺めるたびに新しい気づきをくれる一枚です。

【 杢目・年輪 】
木の芯に近い赤味のある部分と、外側の白太がつくるコントラストが美しく溶け合っています。特に左側に現れた墨流しのような黒い軌跡は、栃の木が時間とともに育んだ変化の証。菌の影響による自然の芸術が、世界にひとつだけの表情を生んでいます。


【 色合い 】
やわらかな白の中に、赤みと墨色が淡く差し込む色合いが印象的です。決して派手ではないけれど、光の当たり方によって印象が変化し、落ち着きのなかに奥行きを感じさせます。周囲のインテリアとも自然に調和し、空間に温かみを添えてくれます。

【 天板の厚み 】
手をかざすと、ほんの少しだけ厚みを感じます。この控えめな厚みが、空間に軽やかな印象を与えつつ、確かな存在感も残します。目線の高さにあるからこそ、その薄さが木の表情を繊細に引き立て、静かな風景のような余白を生んでいます。

【 耳・皮 】
側面には木そのものの輪郭が残されています。緩やかに波打つその形は、皮を剥いだままを活かしながら、職人の手で滑らかに磨き上げられています。手でなぞると、自然のかたちがそのまま指先に伝わり、暮らしの中に森の記憶を残してくれます。


【 機能性・使いやすさ 】
横に広く、奥行きにかけて自然なカーブが設けられているため、リビングの中央に置いても圧迫感がありません。家族4人が囲んでも余裕のある広さで、会話やくつろぎの時間に心地よい距離感が保たれます。空間に静かな品格を添える一枚です。

【 鉋加工 】
杢目の流れに寄り添い、面を整える
この一枚は、鉋を使って少しずつ平らに仕上げています。ただ平らに削るのではなく、杢目の向きや年輪の重なりを読みながら、刃の角度を細かく調整。無理に削れば、美しい木肌も傷んでしまうため、あくまで丁寧に、慎重に。
面を整えるというより、木の声を聴きながら、自然な形を引き出すような作業です。
手の感覚と経験を頼りに、滑らかで心地よい一枚に整えていきます。