
山の稜線をなぞるように
KIDO MEIMOKUの名品
No.1868 欅一枚板
澄んだ空気の中、ゆるやかに連なる山なみを切り取ったかのような面影を宿しています。なだらかにうねる木目が、まるで風に撫でられた斜面を彷彿とさせ、ひとときの静けさをこの空間に運んでくれます。整いすぎない輪郭が、どこか懐かしく、手に馴染むようなやさしさを感じさせる一枚です。四季折々の自然を受け止めてきた樹が、日々の営みにそっと寄り添います。
陽の光を編むような表情

上方から見つめると、波打つ年輪が穏やかな渦を描き、まるで光そのものが木の中で静かに編まれているかのように感じられます。中央に置いた一輪の緑が、その流れと調和するように佇み、自然の循環の一端を垣間見るような感覚に包まれます。整然としながらも柔らかく、生活にさりげない彩りを添えてくれる存在です。

長い年月をかけて内に刻まれた年輪が、まるで雨のあとに川底に刻まれる流線のように繊細に現れています。この木が育った風土の記憶をそのままに残し、細やかに重なる線が静かな時間を思わせます。成長の速度や季節ごとの移ろいが、この模様となって現れ、ひとつとして同じものがない美しさを湛えています。


赤みを帯びた飴色と、淡く黄味を含んだ木肌が折り重なり、空間にあたたかな気配を広げます。光の角度によって、艶やかさと落ち着きが緩やかに変化し、触れた瞬間の質感とともに、やわらかな余韻を残します。この色合いが、暮らしの中の時間に深みと静けさを与えてくれます。

端部に至るまでしっかりとした厚みがありながらも、全体はすっきりと軽やかにまとまっています。その均衡が、空間にどっしりと根を下ろす安心感と、空気をふわりと押し広げるような軽快さを同時に演出します。見た目に重すぎず、それでいて存在感を確かに持つ一枚です。

手作業で整えられた耳は、直線ではない自然な起伏を描き、木が本来持つ生命の輪郭を丁寧に伝えてくれます。削るのではなく、対話するように形づくられたその側面には、職人の目と手のぬくもりがそっと宿っています。日常に置かれていても、ふとした瞬間に目を奪われるような、静かで芯のある美しさをたたえています。




幅にはゆとりがあり、向かい合っても心地よい距離感を保ちます。奥行きも程よく、中央に器を置いても手元に余白が残る設計です。4人で囲んでも圧迫感はなく、むしろ場がひとつにまとまる感覚を得られます。和やかな団らんの中心に置かれ、家族の会話や日々の営みを静かに支えてくれる、暮らしの真ん中にふさわしい佇まいです。