
揺らぎが生む余白の美
KIDO MEIMOKUの名品
No.1862 センダン一枚板
天板の輪郭は、まるで水面に投じられた一滴の波紋がそのまま形をとったかのような、有機的な曲線で構成されています。規則や直線にとらわれないそのかたちは、空間に柔らかさと奥行きを与え、集う人々の会話にもどこかやさしさを宿します。四隅に張らず、どこか余白を感じさせるその輪郭は、日々の営みにさりげないゆとりを添えてくれます。
年輪の渦に、静けさが宿る

天板の中央に浮かぶ年輪は、静かに渦を巻くように広がりながら、まるで時の流れを刻むかのように空間に佇んでいます。その緻密で穏やかな曲線は、自然が織りなすリズムそのものであり、手を触れずともその深さを感じ取ることができます。忙しない日常のなかで、ふと立ち止まって深呼吸を促すような、そんな静けさがこの一枚にはあります。

この板の年輪には、目まぐるしい時間の中にあっても確かに積み重ねられてきた時代の重なりが、くっきりと刻まれています。中心に向かうほどに密度を増し、外に向かって広がる曲線は、自然が長い年月をかけて描いた意志の痕跡です。節やゆらぎを含みながらも一貫した流れがあるその杢目は、どこか語りかけてくるような穏やかな存在感を放っています。


色味はやわらかな赤みを帯びた飴色で、光を含むことで内側から静かに艶を帯びます。周囲の空気や照明により微妙に表情を変えるその質感は、時間帯や季節によって異なる表情を見せ、暮らしのなかにふとした美しさを紡いでくれます。過度な主張はなく、それでいて目を惹くあたたかみのある佇まいが魅力です。

天板の厚みはほどよく抑えられ、空間に軽やかさを残しながらも、芯のある存在感をしっかりと持ち合わせています。断面には丸みがあり、視線を受け止める優しさが漂います。ボリュームを誇示することなく、あくまで空間との調和を意識した設計がなされており、ダイニングに上質な印象と落ち着きを与えます。

耳部分には、木がもともと持っていた自然な揺らぎがそのまま活かされ、まるで森の記憶が手元に残されているかのような豊かさがあります。鋸の直線では描けない柔らかなうねりや微細な凹凸には、職人の丁寧な手仕事が感じられます。粗さを削りすぎず、しかし手を加えすぎないそのバランスが、素材の魅力をいっそう引き立てています。




ゆったりとした幅と奥行きがあり、4人から6人が自然に囲める設計となっています。中央に余裕を持たせたレイアウトで、料理を並べるにも手元にゆとりがあり、日常の食卓としても、来客時のもてなしの場としても使い勝手に優れます。また、天板のかたちは視覚的な動きと柔らかさを空間に与え、どこか自然の中で過ごすような解放感を室内にもたらします。