
研ぎ澄まされた静寂の縁
職人の確かな手で仕上げる逸品
No.1843 椨桜一枚板
面としての広がりに静けさを宿し、縁に揺らぎを残すその姿。まるで自然がひと呼吸置いたかのような穏やかさを漂わせています。繊細な木肌と、無垢の重厚感を併せ持つ椨桜は、光の角度で表情を変えながら、空間に柔らかな緊張を与えます。無駄のない直線と自然の曲線が共存するこの一枚は、使う人の所作さえ美しく整えるような佇まいをもっています。
自然が描いた、予測不能の曲線美
一見して整った木目に、ふと混じる揺らぎ。その不確かさが心に残るのは、人工では生み出せない偶然の軌跡が宿っているからです。椨桜の耳付き部分には、森に吹く風や雨に打たれた年月が刻まれており、そのひとつひとつが今のかたちへと導かれました。優雅さと力強さを併せ持つこの曲線は、家族が集う場にひとつの風格を添えます。

表面を走る杢目には、静かに語るような陰影があります。中心に向かって流れる木目の筋は、樹が水を吸い上げた痕跡を感じさせ、生命のリズムを刻んでいるかのようです。椨桜特有の落ち着きある色調と、うっすらとした虎斑模様が交差することで、視覚的な深みと温かさが両立しています。空間に溶け込みながらも確かな存在感を保つ、その理由がここにあります。

全体に柔らかな赤味を帯びた色調が広がり、辺縁にかけて淡くグレーが混ざるようなグラデーションが生まれています。単調に終わらず、視線をすべらせるたびに微妙な色の移ろいを感じ取ることができます。光が当たることで、木肌が静かに反射し、室内に自然光のようなぬくもりを与えます。四季の移ろいとも調和するこの色味は、長く愛される理由となっています。
しっかりとした厚みを持つこの一枚は、視覚的な重厚感だけでなく、空間に確かな安定感をもたらします。重心が低く落ち着いた印象となるため、部屋全体に静謐な空気が漂います。天板の縁から中心にかけての自然な傾斜や面の取り方が、厚みをより引き立て、立体感のある造形を際立たせています。目で見るだけでなく、触れることでよりその密度を実感できます。

この一枚を際立たせるのは、自然の輪郭がそのまま残された耳の造形です。波打つような曲線には、切削では得られない自然の美しさが宿っています。職人の手により、荒々しさを保ちつつも日常に寄り添うよう丁寧に磨かれたその面は、触れた指にやわらかく木のぬくもりを伝えてくれます。年輪の重なりが織りなす濃淡の縁取りが、全体の構成を引き締め、まさに一枚としての完成度を高めています。




160cmの幅は4人が心地よく向かい合い、中央には花を飾るゆとりもあります。奥行きにも充分な幅を設けており、各席における動作の自由度が高く、食事や会話の場として余裕ある使用感を実現します。適度なサイズ感が圧迫感を与えず、都市型の住空間や開放的なリビングにも美しく馴染みます。日々の食卓が、静かな贅沢に包まれる時間となるはずです。



リビングの中心に置いた瞬間、その場がひとつの景色となります。数人でお茶を囲んだり、家族が思い思いの時間を過ごす場所としても十分な広さを持ち、横長の造形は空間を横断する軸のような存在になります。自然の稜線がアクセントとなり、暮らしの中の動きを穏やかに受け止めてくれます。家具としてだけでなく、暮らしの質感を高める道具として息づく一台です。