
削ぎ落とすことで宿る美
KIDO MEIMOKUの名品
No.1836 ブラックリンバ一枚板
面を磨き、角を削り、線を整える。その繰り返しの先に、静かな美しさが現れました。過度な主張を避けた造形は、まるで道具のように暮らしに寄り添います。ブラックリンバの柔らかな表情が、光を吸い込み、空間に深みを与えます。目立たずとも確かな存在感を備えた一台です。
静けさを纏う水平線のように

天面に目を落とせば、穏やかな波紋のように伸びる杢目が目に入ります。過度な起伏を持たない広い面は、四季の光を受け止めながら、ゆるやかに室内を包みます。まるで凪の海のような落ち着いたたたずまいは、日々の慌ただしさをふと忘れさせてくれる、そんな静謐さを感じさせます。

中央を緩やかに流れるように、赤みを帯びた杢目が伸びています。これらの色調の変化は、木が長い年月をかけて成長した証です。枝や幹が交錯し、風に揉まれながら育った証跡が、今このかたちとなり表面に現れています。人工では再現できない自然の筆致が、日々の暮らしに静かな感動をもたらしてくれます。


外側に向かって淡く明るくなる木肌が、内側の赤褐色を引き立てています。経年によって少しずつ色合いが馴染み、より深みが増していくのもこの素材の魅力です。日ごとに変わる太陽の光を浴びて、色味はさらに豊かさを増していきます。暮らしとともに変化していくその様子もまた、愛着の一部となっていきます。

しっかりと厚みを持たせた設計により、どっしりとした安定感を生み出しています。視線を落とせば、面の厚みがもたらす影が天板の下に落ち、奥行きを感じさせる佇まいとなります。空間に置かれたときの安心感や落ち着きがあり、家具でありながら、まるでそこに昔からあったような自然な存在となっています。

耳の曲線は、自然のかたちをそのままに、職人の手によって丁寧に磨き上げられました。節や凹凸のひとつひとつに、道具ではなく指先の感覚を通じて触れ、仕上げています。あえて直線で揃えず、木が育った時間の流れを尊重することで、触れたときにどこか安心感を覚えるような仕上がりとなっています。




幅と奥行きともに余裕をもたせた設計により、ご家族で囲んで使う場面にも、来客時の団らんにも適した一台です。中央に茶器や読書の道具を置いても空間にゆとりがあり、自由な使い方が可能です。床座のスタイルと相性が良く、リビングの中心として、穏やかで静かな時間をつくってくれます。