
静と動が交差する白の景
KIDO MEIMOKUの名品
No.1834 栃一枚板
静けさに満ちた乳白の木肌に、ひと筆のような焦げ茶の流線が舞い込む姿が印象的です。柔らかに反射する光の粒が、朝も夜も心を解きほぐしてくれます。穏やかな色調で空間全体を包み込みつつ、木の生命感をそっと忍ばせた一枚です。静寂の中にも躍動を秘めたこの風合いが、日々の会話や食事をよりやさしくしてくれます。
時が宿る、真上からの詩

淡い木肌を広げるように、中央へと流れこむ濃淡の帯が、まるで時間の川のように静かに横たわっています。天から覗き込んだとき、そこに浮かび上がる模様の連なりはまるで大地の記憶を映した詩のようです。自然の描いた意図のない曲線は、どこか心を鎮める柔らかさを持ち、見るたびに新たな表情を見せてくれます。

中央を走る杢目のひとすじは、木が生きてきた証をそのまま刻んでいます。時折、波打つように揺れるその線は、かつて風に煽られた幹の軌跡か、地中の水脈を感じて育った証か。自然にできたこの景色は、機械的な意図のない美しさを宿し、触れればどこか懐かしさすら覚えます。自然の気まぐれが、ここでは唯一無二の表現となっています。


色味は全体にやわらかな乳白を基調としつつ、節や入り皮まわりにかけて淡く焦げたような濃色がにじみます。光の加減によって、うっすらと桃色や琥珀を思わせる表情も覗き、空間にとけ込む中にも、ほのかな存在感を放ちます。人工の白にはない、自然だけが生み出せる微妙な色の層が魅力です。

厚みのある木口がもたらすのは、確かな重みと深い安心感です。表情を持った輪郭とともに、その厚みは空間の要としての力強さを宿します。重厚さがありながらも、柔らかな色調により威圧感はなく、むしろ空間をどっしりと支える静かな核となります。家族が集う場所に、時間を支える確かな存在感を添えてくれます。

側面に残された自然の耳には、機械では作り得ない揺らぎがあります。職人がひとつひとつ丁寧に手をかけ、素材本来の輪郭を尊重しながらも、指先でなぞりたくなるようなやわらかな曲面に仕上げています。自然と人の手が交差するこの輪郭には、時間をかけて整えられた静けさと、素材への敬意が息づいています。




4人が向かい合って座るのにちょうどよい幅と奥行きを備え、食事の場としてだけでなく、書き物やお茶の時間、来客との団らんにも心地よく使えます。広すぎず狭すぎず、暮らしの中心にほどよく収まる存在感です。部屋に置いたときにも圧迫感がなく、それでいてひとつの景色として視線を引き寄せるバランスの良さがあります。