暮らしに渦を描くかたち
職人の確かな手で仕上げる逸品
No.1789 楠一枚板

ゆるやかな渦を描くように広がる木の表情が、空間に優しく寄り添います。中心から外へと広がる杢目の流れがどの角度から見ても奥行きを生み、置かれたその部屋に静かな存在感を添えてくれます。大切な時間を囲む場所に、このやわらかなかたちはすっと馴染み、日々の景色を少しだけ美しく整えてくれます。

年輪の渦に包まれて、時が緩やかになる

木の中心からゆっくりと広がる年輪が、どこか時間の流れを穏やかにしてくれるようです。自然が描いた模様とは思えないほどに滑らかな曲線が続き、見るたびに新しい発見があります。使うたび、ふとした瞬間に手がとまってしまうのは、このかたちに宿る年月の深さに触れるからかもしれません。

この一枚には、年輪の密度とその重なりがまるで木の記憶を語るように刻まれています。時にくっきりと、時に曖昧に現れる杢目の重なりは、成長の季節や揺らぎの記録です。まるで水面に落ちた雫が波紋を描くように、内から外へと続く模様が、静かに心をとらえます。

濃淡の差がはっきりと現れた表情豊かな色合いが特徴です。赤みを帯びた部分から淡い琥珀色まで、自然の中で育まれた時間がそのまま色として残されています。陽の光に照らされるとそのグラデーションはより一層引き立ち、部屋の中にやわらかな陰影をもたらします。

厚みのある造形が、しっかりとした安心感を与えてくれます。見た目にもどっしりと構えたその姿は、空間の中心に据えたくなる存在です。重厚でありながらも軽やかさを感じさせるのは、縁に向かって緩やかに薄くなる曲線のせいかもしれません。自然のままの造形が厚みと調和し、絶妙なバランスを保っています。

自然がつくった耳のかたちは一つとして同じものがなく、職人の手によって丹念に磨かれながら、素材の魅力が引き出されています。触れるとほんの少し波打つような感触があり、無垢材ならではの力強さとやさしさを感じられます。研磨の過程でもその表情を崩すことなく、元の木が持つ豊かな個性がそのまま生き続けています。

4人がゆったりと座れる幅と奥行きがあり、中央に料理を並べても余白を楽しめる設計です。日々の食卓としてはもちろん、来客時にも程よい距離感が保てるため、会話も自然と弾みます。中央に据えると空間全体に落ち着いた印象をもたらし、木の温もりが暮らしに穏やかなリズムを届けてくれます。

リビングに置くと、穏やかに広がるそのかたちが空間にやさしい余白を生みます。読書やお茶の時間、親しい人とのおしゃべりにも心地よい距離感を生み、自然と手を置きたくなる低さです。ふと腰をかけて過ごす時間にもぴたりと寄り添い、生活の真ん中にそっと溶け込んでくれます。

暮らしに渦を描くかたち