
風にゆれる稜線をなぞる
KIDO MEIMOKUの名品
No.1788 楠一枚板
天板の稜線は、まるで風が地形を削ったあとの山肌のような滑らかさを宿しています。画像1に映るその姿は、自然の意図に触れるような感覚を呼び起こします。流れるような木目と、自然なうねりを残した輪郭が、室内に静かな風景を持ち込んでくれます。時間とともにその表情はより柔らかさを増し、日々の生活に心地よい余白を与えてくれる存在です。
重なりゆく季節の記憶

画像2に見られる中央の節と周囲の木目の広がりは、長い歳月を積み重ねてきた樹の記憶そのものです。中心に深く刻まれた瘤が、この一枚に命の起伏をもたらし、見る角度によって光と影を繊細に映し返します。暮らしの中にあっても、目を向けるたびに異なる印象を受ける不思議さがあり、ふと立ち止まって木と対話したくなるような佇まいがあります。

画像3から読み取れる通り、年輪は等間隔に整いながらも、まっすぐでありながら微かに揺れ、温かみを感じさせてくれます。この規則とゆらぎの同居は、育った環境の穏やかさと、風の通る土地柄を思わせます。楠特有の柔らかな繊維質が、触れたときに手のひらに静かに吸い付くような感触を生み、木の持つぬくもりを日々の中で実感できます。


木肌はやわらかな黄褐色を基調としつつ、ところどころに淡いベージュや、陽を浴びたような明るさを帯びています。画像3に見られる色の移ろいは、楠ならではの自然な調和を感じさせ、部屋の明るさに合わせて多彩な表情を見せてくれます。光の加減で濃淡が揺らぐため、時間帯や天候によっても印象が変化し、飽きることがありません。

薄めに仕上げられた天板は、空間に軽やかさと洗練をもたらします。画像4の通り、厚みを抑えることで視線が水平に流れ、すっきりとした印象を空間全体に広げてくれます。重厚さに頼らずとも存在感を保ち、洗練されたインテリアにもすっとなじみます。床との距離感が程よく、くつろぎの時間を自然に受け止める佇まいが魅力です。

画像5に映る耳は、まさに木が生きていた痕跡そのものです。わずかに荒々しさを残しながらも、丁寧に磨き込まれたことで、触れたときにひんやりとした滑らかさと、節の部分の温かみが共存しています。この揺らぎは、機械では決して表現できないものです。職人が木の呼吸に寄り添いながら、一本ずつ手作業で仕上げた痕跡がここに刻まれています。




幅と奥行きのバランスが美しく、家族4人が囲むのにちょうどよいゆとりがあります。木口側からも無理なく使える設計で、くつろぎの時間にも自然と会話が生まれます。リビングに置いたときには、空間全体に落ち着いた印象をもたらし、ナチュラルながらも品のある佇まいが際立ちます。日常の中心に据えることで、暮らしに確かな温度が加わります。