
陽だまりを迎える木の面
職人の確かな手で仕上げる逸品
No.1775 欅一枚板
やわらかな陽光が差し込む空間に、この一枚が置かれると、空気がやさしく変わります。流れるような木目と丸みを帯びた輪郭が、日々の何気ない時間にそっと寄り添います。明るさを含んだ欅の表情は、部屋全体に心地よいあたたかさをもたらし、過ごすひとときに自然の安らぎを添えてくれます。
年輪が描く、ゆるやかな詩

眺めていると、木の時間が聞こえてくるような天板です。幾重にも重なった年輪はまるで、季節の記憶を連ねた詩のよう。丸くひらく杢目の表情がゆっくりと波打ちながら広がり、どこまでも穏やかな気配を宿しています。空間に置かれたとき、そこに流れる時間もまた、自然とゆるやかになっていきます。

【 杢目・年輪 】
幹の内に眠っていた時間が、年輪の波紋として現れています。中心から外へと描かれた曲線は、長い年月をかけて育まれた証です。欅特有のくっきりとした年輪の表情と、ところどころで渦を巻くような模様が、自然の偶然と木の力強さを感じさせてくれます。心をゆだねたくなるような、奥行きのある一枚です。


【 色合い 】
ほんのりと赤みを帯びた欅の色合いが、部屋にあたたかさを運んでくれます。やや明るめの飴色を中心に、部分的に濃く沈んだ焦げ茶のようなグラデーションが立体感を引き立てています。華やかになりすぎず、でも確かな存在感がある──そんな絶妙なバランスが、この一枚の魅力です。

【 天板の厚み 】
しっかりと厚みを感じる板は、触れたときの安心感がまったく違います。自然から切り出したままの迫力を残しながらも、重たくなりすぎない印象で、部屋の中心に据えると落ち着きと安定感が生まれます。床に近い低さと相まって、穏やかで柔らかな重厚感を感じられる仕上がりになっています。

【 耳・皮 】
耳の曲線は、人工的な均一さを拒んだ自然の造形です。職人の手によって一点一点丹念に磨かれ、木がもともと持っていた輪郭が、やさしく、でも力強く際立ちました。節のわずかな凹凸や波打つような流線が、木の個性をまっすぐに映し出しています。手を添えると、どこか懐かしくてあたたかい。そんな感覚を呼び覚ましてくれる、命のかたちそのものです。


【 機能性・使いやすさ 】
4人で囲むのにちょうどよい広さがあり、くつろぎの時間をゆったりと支えてくれます。幅は食事や読書、家族での会話など多様な過ごし方に自然と応えてくれるサイズ感で、奥行きにも余裕があるため、中央に小物を飾ったままでも窮屈になりません。空間に重心をもたらす形と存在感がありながら、日常使いにも適したバランスの良い一枚です。

【 製材 】
原木から一枚へ、芯を見抜く製材
この一枚は、太く重みある原木から切り出されたものです。木の芯を見極めながら、反りや割れの将来を考慮し、最も安定する向きでスライス。乾燥後には、わずかな捻れやうねりを修正しながら、理想の厚みに整えていきます。
一本の木が、一枚の板として生まれ変わるための、もっとも重要な仕立てのひとつです。
一本の木と向き合い、最も美しい形で命を残す――それが、製材という最初の仕立てです。
素材の個性を最大限に活かすために、手間を惜しまず時間をかけています。