
縁に宿る手仕事の記憶
KIDO MEIMOKUの名品
No.1766 ウォールナット一枚板
まっすぐではなく、均一でもない。けれども、それが美しい。緩やかに波打つ縁が、自然そのままの輪郭を映し出しています。直線的な空間にそっと温もりを添えるように、ひとつひとつ削られた面は、触れるほどにやさしく手に馴染みます。落ち着いた艶とともに、空間に品を与えるこのかたちには、職人の眼と技が静かに宿っています。
光と影が踊る、深い木目の舞台

自然の流れをそのまま写し取ったかのような表情。中心から伸びる年輪のうねりが、テーブル上にやさしいリズムを描いています。深みのあるブラウンの上を、光がなぞるたびにその揺らぎが現れたり隠れたり。日々の食卓に小さな感動を添えてくれるような、視線を奪う美しさです。食事を囲む時間に、ほんの少し立ち止まりたくなる瞬間を生み出してくれます。

この一枚には、長い時の記憶が刻まれています。年輪が複雑に重なり合い、場所によって濃淡が変わることで、表情に奥行きが生まれています。真っ直ぐに伸びるだけではなく、ところどころでゆらぎや渦を描いているのは、気候や地形に左右されながらも大きく育った証です。人工的な模様では決して得られない、不規則でありながらも心地よいリズムが、長く眺めても飽きのこない存在感をもたらしています。


赤みを帯びたウォールナットの色合いが、空間全体に温かみを運びます。中心に向かうほど濃さが増し、外側にかけてグラデーションのようにやわらかな色へと変化するその表情は、落ち着いた中にもどこか艶やかさを感じさせます。塗装による光沢ではなく、木の持つ油分と職人の手仕上げによって引き出された自然な艶が、暮らしに溶け込む上質さをつくり出しています。

ずっしりと厚みのある天板は、視線に力強さを、空間に安心感をもたらします。輪郭の柔らかさと相まって、ただ重たいだけではない、品のある存在として部屋の中に静かに佇みます。使い込むうちに角の手触りがなめらかになり、日々の営みとともに表情を深めていく過程もまた、この厚みがあってこその楽しみです。

側面には、山肌のような自然な起伏がそのまま残されています。まるで削りすぎないことへの敬意を込めたように、荒々しさと滑らかさのあいだを縫うようにして職人の手が動いています。一見すると粗削りに見える部分にも、微細な手触りの調整が施されており、手でなぞるとほんのりと温もりを感じます。整えすぎないことの美しさを、この耳が物語っています。




ゆったりとした広さがあるため、4人での食事はもちろん、6人でも快適に使えます。横に並んで座っても十分な余白があり、中央には大皿やポットを置いても手狭に感じません。幅と奥行きに適度な広がりがあることで、テーブルが部屋の中心となり、家族や来客との会話が自然とそこに集まります。生活の中で自然と人が集まりたくなる場所として、長く使っていくにふさわしい佇まいを備えています。