
静かな力が満ちる場所
職人の確かな手で仕上げる逸品
No.1765 神代楡一枚板
穏やかな木目が流れる天板の上に、陽だまりのようなあたたかさがそっと広がっていました。空間に置かれたその瞬間から、部屋の空気がすっと整い、呼吸が深くなるような感覚があります。神代楡のもつ落ち着いた存在感が、暮らしの中心をそっと支えてくれる。何気ない日々の中に、この木のぬくもりがあるだけで、不思議と心がほぐれていきます。
時間の記憶を編み込んだ杢目たち

まるで水面に広がる波紋のように、やさしく連なる年輪の流れ。そのひと筋ひと筋に、長い年月を静かに積み重ねてきた神代楡の記憶が刻まれています。あたたかく手を添えたくなるような木肌と、やわらかな陰影が織りなす模様が、使う人の暮らしの景色に寄り添い、静かに語りかけてきます。ふと目をやるたびに新たな発見があり、見る人の心に深くしみ込んでいくような魅力があります。

【 杢目・年輪 】
中央を走る力強いうねりが、この一枚板の生命の軌跡を描き出しています。年輪の広がりや濃淡の揺らぎは、長い間土中に眠っていた神代楡ならではの風合いで、自然が時間をかけて育んだ唯一無二の造形美です。見る角度によって現れる陰影の変化が豊かで、まるで一枚の風景画を眺めているかのような奥行きを感じさせてくれます。


【 色合い 】
神代の名を冠するこの材の色は、どこか時を閉じ込めたような深みのある淡褐色をしています。まばらに交じる墨を溶かしたような焦げ茶が、流れるような杢目にアクセントを加え、落ち着きの中に静かな華やかさを宿しています。どんな空間にも自然と馴染みながら、その場の空気をやわらかく包み込んでくれる、そんな色合いです。

【 天板の厚み 】
厚みのあるこの天板には、しっかりとした安定感があります。どっしりと床に根を下ろすような存在は、空間の軸となり、部屋の印象に心地よい重みを与えてくれます。天板の厚みがあることで、視覚的にも触れたときの感覚としても安心感があり、日々の暮らしの中で長く寄り添う道具としての確かさが感じられます。

【 耳・皮 】
耳の部分には、木が生きていたころのかたちがそのまま残されています。丸みを帯びた自然な曲線は、職人の手で丁寧に仕上げられ、荒々しさはなく、やわらかで温かな雰囲気を醸しています。人の手が入ることで、自然の姿がより引き立ち、どこか親しみやすさすら感じさせるこの耳が、空間全体に豊かな表情をもたらしてくれます。


【 機能性・使いやすさ 】
6〜8人がゆったりと囲めるこのサイズ感は、家族の食卓としても、友人たちとの語らいの場としても頼もしい存在です。幅がしっかりと確保されていることで、中央に飾りやお茶を置いても空間に余裕があり、使い勝手の良さが際立ちます。また、奥行きもたっぷりとあるため、向かい合う人との距離感にも程よい余白が生まれ、落ち着いて過ごせる居心地のよい時間をつくり出してくれます。

【 材料の選定 】
数千枚の中から選ぶ、たった一枚
この一枚は、岐阜県の市場にて、数千枚におよぶ板材の中から選び抜かれたものです。熟練の職人が現地に足を運び、一枚ずつ木目の表情、反り、乾燥状態を確認。複数人で見極めたうえで仕入れたこの一枚には、素材への敬意と確かな目利きが宿っています。
ただ美しいだけでなく、末永く暮らしに寄り添える一枚を――。
その想いとともに、私たちはこの板をお届けします。