
刻のうねりを映す天面
KIDO MEIMOKUの名品
No.1746 屋久杉一枚板
ゆるやかに波打つ天板の縁、奥深い樹の表情を残したその姿は、ひと目で心を奪います。木肌の滑らかさと野趣あふれる荒々しさが調和する屋久杉の一枚。その姿は、長い年月を経てなお新鮮な力を放ち続けています。日々を包み込むようなぬくもりが、暮らしの中心に静かに寄り添い、豊かな時間を育ててくれます。
年輪を渡る光に、時間がほどける

中心から外周へ、柔らかな線を幾重にも描く杢目が、光の移ろいとともに表情を変えていきます。屋久杉の深みある色調と自然な曲線が織りなす景色は、そこに座るだけで心をゆるませる力を持っています。日常のなかでふと目をやるたび、忙しさの向こうに静かな呼吸が戻ってくるような、そんな安らぎを感じられます。

【 杢目・年輪 】
天面をなぞるように続く年輪は、幹の中心から外へと長い歳月をかけて刻まれた証です。乾燥による割れやひずみを極力抑えつつも、木がもともと持っていた起伏や濃淡はそのままに仕上げられています。この屋久杉ならではの濃く浮かぶ年輪は、温暖多湿な気候に育まれた遅い成長の賜物。ゆっくりと積み重ねられた時間の重みが、そのまま模様として浮かび上がっています。


【 色合い 】
柔らかな飴色を基調としながら、耳に近づくにつれ赤みと黒みがにじむように入り混じるこの色合いは、屋久杉の個体差を色濃く映したものです。表面は落ち着きのある艶を持ち、空間に穏やかな温度を加えてくれます。天然の色がもたらす豊かな奥行きは、時間帯や照明によって印象を変え、暮らしの中で多彩な表情を見せてくれます。

【 天板の厚み 】
厚みのある板は、どっしりとした安定感を持ちながらも決して重たすぎる印象を与えません。面取りされた縁から自然な耳へとつながる造形により、視覚的な軽やかさが生まれています。空間に置かれた際、その存在感が浮かび上がるように際立ち、周囲の家具や内装と緩やかにつながっていきます。

【 耳・皮 】
この屋久杉の耳には、伐採当時の樹皮の跡が色濃く残されています。硬さや荒々しさだけでなく、削られずに残されたその形状が、木という生き物が辿った時間を物語っています。職人の手によって丁寧に面を整えながらも、人工的に揃えすぎることはせず、自然がもともと描いていた輪郭を大切にしています。そのため、同じ形はひとつとして存在せず、触れるたびに少しずつ異なる感触が手のひらに伝わってきます。


【 機能性・使いやすさ 】
6人がゆったりと囲めるサイズ感で、家族団らんの場や、来客時にも余裕を持った使い方が可能です。幅と奥行きにゆとりがあり、中央に置かれた花器や器が余白の中に美しく収まります。リビングに据えると、その場が自然と集いの中心になり、空間全体がやわらかに引き締まる印象になります。日々の時間が少しだけ丁寧になる、そんな一枚です。

【 製材 】
原木から一枚へ、芯を見抜く製材
この一枚は、太く重みある原木から切り出されたものです。木の芯を見極めながら、反りや割れの将来を考慮し、最も安定する向きでスライス。乾燥後には、わずかな捻れやうねりを修正しながら、理想の厚みに整えていきます。
一本の木が、一枚の板として生まれ変わるための、もっとも重要な仕立てのひとつです。
一本の木と向き合い、最も美しい形で命を残す――それが、製材という最初の仕立てです。
素材の個性を最大限に活かすために、手間を惜しまず時間をかけています。