
暮らしに溶け込む輪郭
KIDO MEIMOKUの名品
No.1730 屋久杉一枚板
視線を引き寄せるような強さではなく、まるで以前からそこにあったかのように馴染んでいく姿。ゆるやかに湾曲した木肌の縁が部屋の空気に柔らかな流れを与え、自然の静かな営みを感じさせてくれます。どこか親しみを覚えるそのかたちは、暮らしの中にそっと寄り添いながらも、確かな存在感を放っています。
年輪の奥に、永い雨音が聴こえる

ゆったりと波打つような木目の重なりに、遠い過去の風景がひっそりと映ります。手を添えると、樹が過ごした歳月が語りかけてくるようで、時間の重なりそのものを日々のなかで感じられるようになります。忙しない時間のなかでも、ふとした瞬間に深呼吸できる場所が、そこに生まれます。

【 杢目・年輪 】
年輪の密度が描く細やかな流れと、ところどころにあらわれる柔らかな渦が、屋久杉ならではの歳月の証を映し出しています。この表情は、樹齢を重ねた屋久杉が自然に生み出すもの。風や雨に打たれながらも育まれた木目が、時に直線となり、時に揺らぎながら、ひとつの風景のように広がります。


【 色合い 】
しっとりと落ち着いた飴色が、光の加減によってゆるやかに表情を変えていきます。温もりを帯びた色合いは、昼と夜、季節のうつろいに合わせてさまざまな顔を見せながら、空間をあたたかく包み込みます。長く暮らすほどに深みを増していく色の移ろいも、屋久杉の魅力のひとつです。

【 天板の厚み 】
ひと目で感じられるその厚みが、空間にどっしりとした安定感をもたらします。触れるとたしかな重みが手に伝わり、日々の時間を静かに受けとめるような安心感が生まれます。この厚みがあることで、視覚的にも重心が低くなり、空間全体に落ち着いた印象を与えてくれます。

【 耳・皮 】
職人が手の感覚を頼りに仕上げた耳には、自然のままの揺らぎがそのまま残されています。削りすぎず、荒すぎず、木の呼吸を感じるほどの仕上がり。ふれると微かに残る木肌のざらつきが、素材の持つ力強さと穏やかさを静かに伝えてきます。直線ではないその輪郭は、日常にやさしい余白をもたらします。


【 機能性・使いやすさ 】
家族が自然と集まり、四人が心地よく囲める広がりを持っています。奥行きにはゆとりがあり、食事や団らんの時間に道具を並べても圧迫感を感じさせません。低めの佇まいが空間に抜けを生み、広々とした印象を与えてくれます。暮らしに自然と溶け込む、穏やかな日常の舞台となるかたちです。

【 一枚板のカット 】
その一枚に最適なかたちを見極める
この一枚は、天板として美しく納まるよう、両端を慎重にカットしています。全体のバランスや木の状態を見ながら、どこを残し、どこを落とすかを判断。たった数センチの違いが、仕上がりの印象を大きく左右します。
木目の流れを活かし、使う人の暮らしに自然と溶け込むサイズへ。
それぞれの木にとって最もふさわしい「かたち」を探しながら、丁寧に刃を入れています。