
木の輪郭を、輪郭のままに
KIDO MEIMOKUの名品
No.1716 屋久杉一枚板
左右非対称に広がる造形が美しく、天板そのものの個性を余すことなく活かした一枚です。滑らかに磨き込まれた面と荒々しさを残した縁との対比が印象的で、使うほどに木の呼吸が伝わってきます。生活の真ん中に、自然そのままの景色がそっと置かれたような佇まいです。
風が舞い、年輪がゆれる
この板の中央には、風が吹き抜けたように流れる年輪があります。柔らかなうねりが視線を導き、木の中に記憶された時間までもが浮かび上がるようです。どこから見ても奥行きがあり、日々の生活に豊かな情景を添えてくれます。

【 杢目・年輪 】
年輪が重なり合って描く模様は、ひとつとして同じものがありません。屋久杉ならではの油分を含んだ材質が、杢目に柔らかな光沢を与え、立体感ある表情を見せてくれます。ゆっくりと育った木が、時間をかけて刻んだ軌跡が、今この一枚に宿っています。

【 色合い 】
全体に赤味を帯びた明るい色調と、深く沈んだ焦茶の濃淡が共存しています。端部にかけて現れる濃い彩りが、天板全体の景色に奥行きを与えており、木の持つ表情の豊かさを感じさせてくれます。
【 天板の厚み 】
しっかりと厚みのある天板が、空間に重心を与え、落ち着きのある雰囲気をもたらします。厚みがあるからこそ生まれる陰影が、光の角度によって日々異なる印象を映し出し、暮らしの中で木の存在感が深まります。

【 耳・皮 】
この一枚は、耳の部分にあたる側面も丁寧に仕上げられています。手作業で削りすぎることなく、自然の起伏をそのままに磨き上げ、触れるたびに木の輪郭を感じることができます。耳の表情から伝わる手触りには、加工を担った職人のまなざしと、素材への敬意がそのまま刻まれています。


【 機能性・使いやすさ 】
幅の広がりと奥行きの変化が絶妙で、空間にゆとりを感じさせながらも、使い勝手のよいかたちに仕上がっています。2人から4人で囲むのに程よく、お部屋の中に自然なリズムが生まれます。自然のかたちをそのまま活かしたつくりが、暮らしに心地よい彩りを添えてくれます。

【 製材 】
原木から一枚へ、芯を見抜く製材
この一枚は、太く重みある原木から切り出されたものです。木の芯を見極めながら、反りや割れの将来を考慮し、最も安定する向きでスライス。乾燥後には、わずかな捻れやうねりを修正しながら、理想の厚みに整えていきます。
一本の木が、一枚の板として生まれ変わるための、もっとも重要な仕立てのひとつです。
一本の木と向き合い、最も美しい形で命を残す――それが、製材という最初の仕立てです。
素材の個性を最大限に活かすために、手間を惜しまず時間をかけています。