
重なりあう濃淡の余韻
KIDO MEIMOKUの名品
No.1714 モンキーポッド一枚板
天板全体に流れるような濃淡のグラデーションが印象的です。深く重ねたような色味が空間を引き締め、中央の花器を引き立てながらも、穏やかな広がりを感じさせます。輪郭には明るい辺材が浮かび上がり、存在感と軽やかさを同時に備えた仕上がりです。
波紋のように揺れる景色

柔らかな光の中に浮かぶような木目は、水面に広がる波紋のようです。中央から外へと静かに伸びるその表情には、一本の樹が歩んできた時間の深みが感じられます。整いすぎない自然な揺らぎが、心地よいリズムとして空間に溶け込みます。

【 杢目・年輪 】
黒褐色の帯が交差しながら、ゆるやかに流れる杢目が浮かびます。成長の痕跡が残るこの表情は、幹の中心から少し離れた位置で育った証。急激な変化ではなく、静かに刻まれた年輪の連なりが、どこか安堵感をもたらします。


【 色合い 】
中心部には深い焦げ茶、両端には淡い飴色が広がり、天然のグラデーションが際立ちます。人工では表現しえない濃淡の境界が、この一枚にしかない奥行きを与えています。部屋の明るさに応じて、表情が変化するのも魅力です。

【 天板の厚み 】
端から眺めたとき、しっかりと厚みを感じる造形が印象に残ります。面取りのない直線的なエッジが、落ち着いた重みと安定感を演出し、空間に芯のある静けさを添えます。視覚からも伝わる素材の力強さがあります。

【 耳・皮 】
手で撫でると少しだけ波打つような感触がある側面には、木そのものの輪郭がそのまま生かされています。鋭さを残さず、自然の形に合わせて丸みを加えることで、柔らかくも凛とした印象に仕上がっています。職人の手が伝える優しさが、そこに宿ります。


【 機能性・使いやすさ 】
二人掛けで向かい合っても余裕のある幅と、お盆や本などもゆったり置ける奥行き。家族での団らんや読書のひととき、来客時のお茶時間まで、幅広いシーンに心地よく馴染みます。日々の暮らしの中心に、自然の温もりが寄り添います。

【 鉋加工 】
杢目の流れに寄り添い、面を整える
この一枚は、鉋を使って少しずつ平らに仕上げています。ただ平らに削るのではなく、杢目の向きや年輪の重なりを読みながら、刃の角度を細かく調整。無理に削れば、美しい木肌も傷んでしまうため、あくまで丁寧に、慎重に。
面を整えるというより、木の声を聴きながら、自然な形を引き出すような作業です。
手の感覚と経験を頼りに、滑らかで心地よい一枚に整えていきます。