
光を抱く欅の輪郭
KIDO MEIMOKUの名品
No.1700 欅一枚板
広がる木肌にそっと目を向けると、静かな風景が立ち上がります。表情豊かな導管がのびやかに走り、まるで季節を記憶するかのような穏やかな流れを描いています。辺材から芯材へと移る自然な濃淡のグラデーションが、空間に優しい陰影をもたらします。時間の流れをともに過ごす場所として、日々の光と会話を映す存在になってくれます。
花を置くだけで絵になる場所

なにも置かれていないときも美しいのに、白い花をひと房のせるだけで風景が完成します。欅特有の明るい赤褐色の中に、年輪が穏やかなリズムを描き、自然が手渡してくれた流線形の節が、どこか人の手を思わせます。暮らしの一部がふと立ち止まりたくなる、そんなひとときを静かに支えてくれます。

この一枚の中に現れた杢目は、均整の取れた年輪と、風に撫でられたようなゆるやかな曲線が織りなすやさしい佇まいです。木が育った長い時間が、線の密度や揺らぎとして表れており、ゆっくりと育った証のように思えます。節の周辺には一瞬の動きのような表情も宿り、見つめるたびに新しい発見があります。


欅の明るく温もりのある色味は、やわらかく部屋を包み込みます。中央に向かってほんのり赤みを帯びた色合いは、自然なグラデーションを描きながら、光を受けて表情を変えていきます。晴れた日には明るく、雨の日には静かに、日々の光に寄り添いながら空間の雰囲気を整えてくれます。

端から見てもたっぷりとした厚みがあり、その重みと存在感は部屋に安心感をもたらします。手を添えたときの安定感や、輪郭のなだらかな立ち上がりが、家具というよりも景色の一部のような印象を残します。静かにそこにあるだけで空間が整う、そんな確かな存在です。

側面に残された自然の耳は、山の風に晒されて生まれたままの表情を大切に残しています。職人がひとつひとつ手で仕上げることで、荒々しさを残しつつも、触れたときのなめらかさが心地よく調和しています。まるで木が話しかけてくるような、ぬくもりと静けさを感じさせてくれる輪郭です。




幅のゆとりが、並んで座ったときの距離をやさしく保ちます。奥行きは深すぎず、置いたものに自然と手が届くちょうどよさです。季節の花を飾ったり、お茶を囲んだり、誰かが本を読み、誰かが眠る午後の空気も受け止めてくれます。6人ほどで囲むには十分な広さがあり、暮らしの中心に据えることで、その場に流れる時間ごと愛おしく思えるようになります。