
波打つ輪郭が語るもの
KIDO MEIMOKUの名品
No.1698 欅一枚板
艶やかに磨かれた面と、自然が描いた曲線が調和する欅の一枚。波打つように揺れる輪郭が、使い手の日常にやさしい余白をもたらします。直線では生まれ得ないしなやかさが、時間の流れをふわりと緩め、そこにいる人々の心まで穏やかに包み込んでくれます。どこか詩的な存在感を放ちながらも、暮らしの中心にやさしく馴染む、そんなかたちです。
天から降りたような木目のうねり

木肌の真上から眺めると、規則と自由が手を取り合うように並ぶ欅の年輪が現れます。まるで大地を渡る風の軌跡のように、うねりながらも確かに重なっていくその表情には、歳月を経た木だけが持つ奥行きがあります。中心から広がる模様が生み出す穏やかなリズムは、食事の時間にも会話の時間にも、心地よい背景となって寄り添ってくれます。

【 杢目・年輪 】
この一枚が語る物語は、数十年かけて刻まれてきた年輪の濃淡に表れています。流れるような曲線を描きながら寄り添うように走る線は、日当たりや地形、水脈など、その木が生きてきた環境を物語っています。中心から端へと広がる表情のグラデーションは、欅という樹が持つ強さと繊細さ、そして気高さをそのまま映し出しています。


【 色合い 】
柔らかな黄金色を基調に、ところどころ赤みを帯びた温かい色合いが広がります。陽の光を浴びた欅の表面には、心を緩めるようなぬくもりが宿り、空間全体を包み込むような優しい雰囲気が漂います。濃淡の移ろいが絶妙で、長く使い込むほどに深みを増し、まるで持ち主の暮らしに寄り添うような変化を見せてくれます。

【 天板の厚み 】
厚みのある面がもたらすのは、単なる重厚感だけではありません。手を置いた瞬間に伝わる安定感と、空間に静かな芯を通すような存在感が、暮らしに心強さと安心を添えてくれます。薄さでは決して表現できない豊かさが、この欅の一枚には宿っています。日々の営みを優しく支えながらも、しっかりと暮らしの中心に立ち続ける姿がここにあります。

【 耳・皮 】
側面に目をやると、手仕事でしか表現できない、なめらかで自然な耳の曲線が顔をのぞかせます。割れや欠けを整えながらも、自然がつくりあげた稜線を極力残すよう、職人の丁寧な手が添えられています。どこか生き物のように鼓動を感じさせる輪郭は、触れるたびに新しい表情を見せてくれるもの。人工では生み出せないその線は、空間に優しい呼吸をもたらしてくれます。


【 機能性・使いやすさ 】
ゆとりある幅が、4人から6人で囲む食卓に十分な広さを与えます。広がりのある奥行きは、料理を並べても窮屈にならず、会話や手の動きを妨げません。家族で過ごす日々の食卓にも、友人を招いた週末の食事にも寄り添い、余白ある心地よさを演出します。空間に置いた瞬間から、そこはもう、日常と特別が交わる場所になります。

【 仕上げ研磨 】
杢目を際立たせる、最後のひと削り
この一枚は、木肌と杢目を美しく浮かび上がらせるための仕上げ研磨を施しています。5段階に分けてサンドペーパーの細かさを調整しながら、力を均一に、ゆっくりと全体にかけていきます。磨くたびに杢目が徐々に姿を現し、木そのものが持つ美しさが際立っていく工程です。
表面がさらりと手になじむ感触になるまで、妥協なく丁寧に仕上げていきます。
これにて、板はようやく「触れて美しい」存在へと昇華されます。