
光をまとう、春霞の色
KIDO MEIMOKUの名品
No.1694 楓一枚板
白太と赤身が織り交ざる柔らかな色調が、空間全体にやさしい余白を生み出します。木肌には淡く広がる赤みが揺らぎ、陽の差し込みに応じてその表情を変えていきます。緻密な質感を持ちながらも、どこか空気のように軽やかな佇まい。日々の会話を支える存在として、自然体の美しさを添えてくれる一枚です。
真上から覗く、風の流れのような杢目

まるで流れる水のように、繊細に波打つ杢目が天板全体をゆるやかに走ります。乾いた季節の風が通り抜けたあとの砂紋のような模様は、楓材特有の繊細な繊維構造から生まれたもの。柔らかさと動きが共存するこの表情は、木そのものが静かに語りかけてくるような魅力を湛えています。長く見ていても飽きることのない、穏やかなリズムが広がります。

【 杢目・年輪 】
広葉樹ならではの密な年輪が刻むのは、成長の確かな時間です。芯に向かって細やかに縮むような杢目には、寒暖差のある土地で育った楓の逞しさが刻まれています。中央に浮かぶ節も含め、自然のままの景色を活かした仕上げ。時間の流れそのものが、美しさとなって表れています。


【 色合い 】
赤身と白太がなだらかに溶け合い、全体として淡いベージュのグラデーションを描いています。なかでも赤身は控えめな発色で、どこか桃色がかった柔らかい彩度を湛えており、空間の照明に溶け込むような印象を与えてくれます。主張しすぎることなく、まわりの家具や素材を引き立てる色合いです。

【 天板の厚み 】
天板に厚みがあることで、その存在感は視覚からも手触りからも感じ取れます。どっしりとした安定感がありながら、角の丸みや耳の仕上げが柔らかさを添えてくれるため、空間に重たさを与えることなく溶け込みます。日々の中で寄り添う道具として、長く付き合っていける頼もしさを備えた厚みです。

【 耳・皮 】
側面には木の外皮に近い自然の曲線がそのまま活かされ、まるで山肌の稜線を切り取ったかのような風景が浮かびます。一つひとつの凹凸は職人の手で丁寧に磨き上げられ、指先でなぞればその仕事の細やかさが伝わります。均一ではないがゆえに感じられる自然の輪郭が、この一枚を特別な存在にしています。


【 機能性・使いやすさ 】
広く確保された幅は、向かい合う人との距離を程よく保ちつつ、中央に大皿やポットを置いても余白を感じられる余裕があります。また奥行きにもしっかりとしたゆとりがあるため、四人掛けでも八人掛けでも、ひとりひとりが自然に過ごせる間隔を保てます。日常の食卓としてだけでなく、お祝いの席にも馴染む広さです。

【 耳・皮加工 】
自然の輪郭を活かす、耳の仕立て
この一枚は、木の外皮に近い「耳」部分を丁寧に整えています。自然がつくった曲線や凹凸には、その木ならではの力強さと個性が宿ります。その表情を壊さぬよう、滑らかさだけを加えるように手作業で加工。
荒々しさと肌触り、そのどちらも損なわずに仕上げることで、唯一無二の存在感が生まれます。
「整える」のではなく、「そのままを活かす」ための、繊細な仕事です。