
木洩れ陽を連れてくる板
職人の確かな手で仕上げる逸品
No.1685 楠一枚板
この楠の一枚板は、やわらかな陽だまりのような存在です。部屋に差し込む光と溶け合いながら、空間に心地よいぬくもりを広げてくれます。緩やかな曲線を描いた木の表情が、自然の優しさをまるごと招き入れ、食卓に集う人の気持ちまでふんわりとほどいてくれるようです。
木のリズムが生む、心をほどく場所

中心に据えられたこの板には、深呼吸のような静かな律動が宿っています。年輪の重なりがまるで小川の流れのように広がり、見るたびに違う景色を映してくれます。力強さよりも、包容力。穏やかに佇むその姿が、忙しない日常の真ん中で、ふと立ち止まるきっかけを与えてくれます。集まる時間をゆるやかに包み、過ごすひとときを豊かにしてくれます。

【 杢目・年輪 】
幾重にも折り重なる杢目は、楠ならではの優しい呼吸を感じさせてくれます。まるで水面に浮かぶ波紋のように、外へ外へと広がるこの木目は、長い年月を経て蓄えた命の軌跡。木が過ごした時間の層が、そのまま模様になって現れています。ぬくもりと静かな力強さを感じさせてくれるこの表情は、どこか人の記憶に寄り添うような温かさがあります。


【 色合い 】
全体を包むのは、楠らしいやわらかな明るさです。ほんのりと赤みを帯びた色味が、空間をふわりと照らし、季節を問わず馴染んでくれます。陽の光が差し込むと、ほんの少し色に深みが増し、時間帯によって印象が変わって見えるのもまた魅力のひとつ。彩度を抑えた家具とも自然と調和し、部屋全体をやさしく引き立てます。

【 天板の厚み 】
天板の厚みが、家具としての存在感を静かに支えています。木の重なりをそのまま残したようなボリュームがありながら、印象はとても軽やかです。厚みのある一枚板は、視線を受け止める安定感を持ちつつ、空間に立体的なリズムをもたらしてくれます。脚元までの距離に余白が生まれ、日常の景色がどこか豊かに映ります。

【 耳・皮 】
側面にあたる耳の部分は、職人が手作業で優しく磨き上げた自然の輪郭そのものです。木が育ったときの形をそのままに残しているため、直線では出せない柔らかな揺らぎがあります。節やわずかな凹凸も、この板にしかない表情として生きています。道具の跡を感じさせないほどに滑らかで、ふと触れてみたくなるような、やさしい仕上がりになっています。


【 機能性・使いやすさ 】
同じ楠の板から切り出されたスツール(OSOROISU)との組み合わせは、空間に自然の一体感をもたらしてくれます。流れるような杢目の連なりがテーブルとベンチをつなぎ、視覚的な広がりが生まれます。大人6人がゆったりと囲むことができる奥行と幅があり、家族の集まりや友人との食事にぴったりです。整いすぎず、けれど美しく。そんな心地よさが暮らしの真ん中に据えられます。

【 製材 】
原木から一枚へ、芯を見抜く製材
この一枚は、太く重みある原木から切り出されたものです。木の芯を見極めながら、反りや割れの将来を考慮し、最も安定する向きでスライス。乾燥後には、わずかな捻れやうねりを修正しながら、理想の厚みに整えていきます。
一本の木が、一枚の板として生まれ変わるための、もっとも重要な仕立てのひとつです。
一本の木と向き合い、最も美しい形で命を残す――それが、製材という最初の仕立てです。
素材の個性を最大限に活かすために、手間を惜しまず時間をかけています。