
揺らぎの輪郭が描くもの
KIDO MEIMOKUの名品
No.1672 楓一枚板
長さと幅のたっぷりとした存在感に、流れるような自然の縁取りが美しく調和しています。緩やかに波打つ輪郭が、まるで木の鼓動を写しとったように感じられる佇まいです。天板に置かれた小さな花器からは、時間の流れをゆっくり受け止める余白が生まれ、家族が集う場に静かな温もりを添えてくれます。
揺れる陽射しを映す杢目の詩

上から覗くと、光とともに揺れるような杢目の流れが浮かび上がります。まっすぐではなく、少しずつ表情を変えながら続く木の道筋。人工では描けない自然の濃淡が、空間に奥行きとやわらかさをもたらします。日々の食卓に差し込む朝の光を受けて、表面の表情はさらに豊かさを増していきます。

【 杢目・年輪 】
楓特有のやさしい木肌に、淡い飴色と繊細なグラデーションが重なります。木が育まれた年月のなかで、季節ごとに刻まれた年輪が、柔らかな線として現れているようです。節や波紋も過度に主張せず、目に心地よく溶け込む印象です。この板が持つ静かな流れは、樹木の環境と時間がもたらした贈り物といえます。


【 色合い 】
明るさを帯びた木地色に、ところどころ淡い茶の帯が重なることで、空間全体を明るく整えてくれます。楓らしいやさしさが色合いにも宿り、季節や天候によって表情を変えて見えることもあります。朝の陽射しにはほんのり金色を帯び、夜の灯りにはやわらかな陰影を描き出します。

【 天板の厚み 】
たっぷりとした厚みがもたらす安心感が、この一枚の存在をより特別なものにしています。見た目に重厚さがありながらも、色味や曲線の柔らかさが空間に圧迫感を与えません。使うほどに、触れる手に自然の質感がしっくりと馴染み、道具というよりも暮らしの一部として心に残り続けます。

【 耳・皮 】
側面には、職人の手で磨かれながらも、あえて残された自然の輪郭があります。鋭さを感じさせず、やわらかにうねる耳の形は、山に立つ木の姿そのままを宿しているかのようです。無理に削らず、自然のままの表情を尊重することで、この一枚が持つ唯一の風景がそのまま残されました。手を触れたときの感触にも、滑らかさと微かな揺らぎが共存しています。


【 機能性・使いやすさ 】
8人が並んでも余裕のある幅と、使い勝手の良い奥行きがあり、日常の食卓としても来客時のもてなしにも活躍します。ゆとりあるサイズながら、空間を重たくせず、木の明るさが広がりを感じさせてくれます。食事や会話が自然と弾み、家族の中心に自然と溶け込んでいく、そんな一枚です。

【 研磨加工 】
触れたくなる木肌へ、丁寧な磨き仕上げ
この一枚は、ベルトサンダーを用いて丹念に磨き上げています。まずは荒い研磨で水平を整え、そこから段階的に細かな粒度のベルトへと移行。木の質感を損なわぬよう、力加減や角度を微調整しながら、何度も手をかけていきます。
時間と手間を惜しまず仕上げた表面は、手のひらにすっとなじむような滑らかさに。
この工程を経て、木はようやく触れたくなる存在へと変わっていきます。