
寄り添うように広がる曲線美
KIDO MEIMOKUの名品
No.1528 欅一枚板
欅の中でも特にしなやかな個性を放つ一枚。やわらかくひらいた耳のラインが、空間におおらかさを添えています。脚元まで張り出すその形には、自然が長い時間をかけて育んだ輪郭の記憶が刻まれており、眺めるたびに穏やかな余韻をもたらしてくれます。木の力強さと繊細さがひとつになった存在感が、暮らしに奥行きをもたらします。
中心から広がる、木目の波紋

年輪が幾重にも重なって、まるで水面に落ちた一滴のようにやさしく広がっていく欅の表情。自然に描かれたそのリズムが、時間の流れを穏やかに包み込んでくれます。何気ない日常にそっと寄り添いながら、心をほぐす景色として、家族や友人との語らいの背景になります。

【 杢目・年輪 】
中心に向かって幾筋も重なり合う杢目が、欅特有の立体感を引き立てています。乾燥や季節の変化にも耐え、時を重ねるほどに色つやを増していくこの樹は、山の厳しさと陽光のぬくもりを同時に吸い込んできたからこそ、この奥行きある表情に育ちました。木と向き合う職人が、その流れを崩すことなく削り上げ、呼吸するような天板が生まれました。


【 色合い 】
透き通るような琥珀色に、ほんのりと赤みを帯びた艶が重なっています。明るさの中に落ち着きがあり、日差しが差し込むと一層やわらかく、夜の照明のもとではほのかに陰影を帯びます。欅の持つ色合いの美しさが、この一枚にはとりわけ素直にあらわれており、季節や時間帯で異なる表情を楽しめます。

【 天板の厚み 】
しっかりとした厚みがありながら、軽やかな佇まいを保っているのは、この欅材が持つ密度とバランスの賜物です。部屋に置いたとき、芯から落ち着くような安定感をもたらしてくれるとともに、自然素材ならではの安心感が広がります。重厚でありながら、空間に溶け込むやさしさを備えた一枚です。

【 耳・皮 】
わずかに波打つような耳の形には、製材後に職人が時間をかけて磨き上げた手の痕跡がそっと残っています。自然の輪郭を損なわないよう、目の細かい鑿や鉋を使い分けて丹念に仕上げるその工程により、ただの「端」ではなく、ひとつの景色として成立する側面が生まれます。やわらかさと力強さの余韻が、手に触れた瞬間に伝わります。


【 機能性・使いやすさ 】
間口はゆとりがあり、2人なら贅沢に、4人でもゆったりと過ごせるサイズ感です。奥行きには変化があり、使う人それぞれの位置に心地よいスペースが広がります。くつろぎながら本を広げたり、軽く食事をしたり、あるいは会話を楽しんだりと、用途に応じて自然と馴染むテーブルです。空間をほどよく引き締めながら、やわらかな印象を残してくれます。

【 耳・皮加工 】
自然の輪郭を活かす、耳の仕立て
この一枚は、木の外皮に近い「耳」部分を丁寧に整えています。自然がつくった曲線や凹凸には、その木ならではの力強さと個性が宿ります。その表情を壊さぬよう、滑らかさだけを加えるように手作業で加工。
荒々しさと肌触り、そのどちらも損なわずに仕上げることで、唯一無二の存在感が生まれます。
「整える」のではなく、「そのままを活かす」ための、繊細な仕事です。