
揺らぎに心を預けて
KIDO MEIMOKUの名品
No.1506 サペリ一枚板
天板に刻まれた緩やかなうねりは、サペリ特有の美しい杢目と相まって、どこか懐かしさすら漂わせます。直線に頼らない輪郭が、空間に軽やかなリズムを与え、使うたびに木のぬくもりとやさしさが沁み込んでいきます。自然のかたちに寄り添いながら、職人の手で研ぎ澄まされたその面持ちは、日々の食卓に穏やかな心地よさをもたらしてくれます。
波打つ杢が語りかけるサペリの物語

中央から外側へと広がる褐色の濃淡に、幾重にも重なるさざ波のような杢が浮かび上がっています。深い木理の流れは決して派手ではなく、それでいて目が離せない存在感を湛えています。木が生きた証をそっと描くように、見つめるたびに新しい表情を見せてくれます。日々の食卓にそっと置かれたドライフラワーも、この板の物語のひとつになっていきます。

【 杢目・年輪 】
このサペリは、湿潤な熱帯で育った大木ならではの緻密な年輪が特徴です。年輪の重なりが生んだ複雑な杢目は、自然の気まぐれと時の積み重ねが交差してできたもの。波紋のように広がる模様が、中央に向かって緩やかに吸い寄せられるような錯覚を生みます。木の内部に眠る記憶を、そっと表に現したようなその表情が、空間に奥行きを添えてくれます。


【 色合い 】
サペリ特有の赤みを帯びた茶色は、陽の光を受けると、ふわりと金色をまとったような温かみを帯びます。中心に向かってやや濃くなる色の変化は自然のままでありながら、まるで意図されたグラデーションのような美しさです。落ち着いた色味が空間を柔らかく包み込み、日常のなかにさりげない上質さを添えてくれます。

【 天板の厚み 】
この一枚板は、手のひらに乗せたときに感じるような“木の厚み”がしっかりと伝わってきます。たっぷりとした量感があるため、空間に置くだけで中心となる存在感を放ちます。それでいて過剰な重たさを感じさせず、暮らしにすっと溶け込む自然体の佇まいです。毎日の食事や会話の場を、しっかりと支えてくれる安心感があります。

【 耳・皮 】
手作業で削り出された耳の部分には、機械には出せないやわらかさがあります。木が育ったままの輪郭をなぞるように、職人が丹念に磨き上げた曲線が残されており、思わず手を添えたくなるような温度を感じます。ゆるやかなうねりが指先に心地よく馴染み、木の肌に触れるたびに、自然と人の手のぬくもりが重なって感じられます。


【 機能性・使いやすさ 】
2〜4人で囲むのにちょうどよいサイズ感で、食事はもちろん、仕事や趣味の時間まで心地よく支えてくれます。幅にしっかりとゆとりがあるため、料理を並べても圧迫感がなく、自然と視線が天板に集まります。奥行きには緩やかな変化があり、空間に単調さを与えず、視覚的にも豊かな印象をもたらしてくれます。

【 鉋加工 】
杢目の流れに寄り添い、面を整える
この一枚は、鉋を使って少しずつ平らに仕上げています。ただ平らに削るのではなく、杢目の向きや年輪の重なりを読みながら、刃の角度を細かく調整。無理に削れば、美しい木肌も傷んでしまうため、あくまで丁寧に、慎重に。
面を整えるというより、木の声を聴きながら、自然な形を引き出すような作業です。
手の感覚と経験を頼りに、滑らかで心地よい一枚に整えていきます。