
ゆるやかに、寄り添う輪郭
KIDO MEIMOKUの名品
No.1472 欅一枚板
なめらかな面取りと、自然が描いた緩やかな曲線が調和する一枚。耳から中央にかけての美しい膨らみが、空間に心地よい流れを生み出します。過度な主張はなく、静かに佇むその佇まいに、欅という樹のもつ落ち着いた風格がにじみ出ています。日々の暮らしにしっとりと馴染みながら、使い手の目と心をやさしく潤す一台です。
欅の年輪が描く、やわらかな余白

真上から眺めると、木の中心から広がる穏やかな年輪の波が、まるで水面に浮かぶ同心円のように広がります。端から端まで流れるような木目のリズムがありながら、どこか余白を感じさせる間合いが、この一枚の懐の深さを物語っています。視界に入るたびに、張りつめた時間をほぐしてくれるような、静かなぬくもりが宿っています。

【 杢目・年輪 】
木口から年輪の重なりが穏やかに浮かび、赤味と白太が混ざり合いながら自然な揺らぎを見せています。この欅には派手な瘤や強い杢は見られませんが、その分、木そのものがゆっくりと育んだ年輪の層が丹念に積み重なり、時間の厚みを感じさせます。華やかさよりも穏やかな重みを好む方にこそ手に取っていただきたい一枚です。


【 色合い 】
色味は全体にやや赤味を帯びた茶褐色で、時間を経るごとに深みを増していく変化を楽しめます。白太とのコントラストも自然で、あえて塗装で覆い隠すのではなく、ありのままの表情が生かされています。ひとつの面のなかに幾層もの色の濃淡が現れ、使い込むほどにこの欅がもつ滋味が立ち現れてきます。

【 天板の厚み 】
しっかりと厚みのある天板は、視覚的にも安心感があり、空間の重心を静かに支えてくれます。軽やかさよりも落ち着きのある印象を与え、重厚な家具との相性も良好です。厚みを感じることで、欅材ならではの堅牢さや存在感が自然と伝わり、住まいの中にひとつの核を据えるような感覚をもたらします。

【 耳・皮 】
大きく波打つ耳は、欅特有の力強さと荒々しさをそのまま残しつつも、丁寧に磨き上げられることでやさしい肌触りに仕上がっています。あくまでも自然の造形を活かしながら、職人の手でひとつひとつ輪郭を整え、日常に溶け込む表情へと昇華させました。木の皮の名残を感じさせる立体的な面が、空間に奥行きと変化を加えています。


【 機能性・使いやすさ 】
幅にも奥行きにもゆとりがあるため、テレビ台として使用した際、視覚的に圧迫感がなく、すっきりとした印象を与えます。大型のテレビを設置しても窮屈さはなく、周囲に置くオブジェや機器類とも自然に調和します。使用人数は4名までが適しており、家族で過ごす時間や来客時にも心地よい距離感が保たれます。

【 材料の選定 】
数千枚の中から選ぶ、たった一枚
この一枚は、岐阜県の市場にて、数千枚におよぶ板材の中から選び抜かれたものです。熟練の職人が現地に足を運び、一枚ずつ木目の表情、反り、乾燥状態を確認。複数人で見極めたうえで仕入れたこの一枚には、素材への敬意と確かな目利きが宿っています。
ただ美しいだけでなく、末永く暮らしに寄り添える一枚を――。
その想いとともに、私たちはこの板をお届けします。