
陽だまりのような明るさ
職人の確かな手で仕上げる逸品
No.1461 栃一枚板
木肌にふれるたび、手のひらがほっと緩むようなあたたかみがあります。広がりのあるフォルムとやわらかな木目が、空間に明るさを添える栃の一枚。やさしい光を含んだような色合いと、丸みを帯びた自然な輪郭が部屋の空気をまろやかに整えます。当店で扱う一枚板の中でも、この栃はとりわけ表情豊かで、飾らない気品が際立っています。
やわらかな杢目に、深呼吸する午後

広がる波紋のように、年輪の流れが静かに広がっていく様子が魅力的です。とくに中央部の丸みを帯びた杢目の揺らぎは、まるで木が育んできた季節の記憶を伝えているよう。毎日の何気ない時間に、心を澄ませてくれるような存在です。日々の暮らしの傍らに置くほどに、この一枚板の奥ゆかしい美しさが浮かび上がってきます。

【 杢目・年輪 】
栃の中でもここまで繊細に杢が現れる板は希少です。淡い中にも流れのある木理が波打ち、あえて何も置かずにただ眺めたくなるような美しさを湛えています。この模様は、長い年月をかけて養分や水分の流れが複雑に交錯した証であり、同時に自然の偶然が生んだ一枚の絵のようにも見えます。時間と自然が織りなした意匠です。


【 色合い 】
明るい生成りのような色合いを基調に、ところどころに淡い紅や蜂蜜色が揺らめいています。主張しすぎず、けれど見過ごすことのできない色の移ろいが、空間に奥行きを与えてくれます。光の加減であらわれるニュアンスは、朝と夕とで異なる表情を見せ、日々の変化を静かに彩ります。

【 天板の厚み 】
手をかけた瞬間に感じられる、しっかりとした厚みがこの板の魅力です。自然が育んだ輪郭を丁寧に活かしつつ、全体のバランスを整えたことで、視線に奥行きが生まれ、場全体に落ち着きをもたらします。厚みのある板ならではの安定感が、暮らしの中心に心地よい重みを添えてくれます。

【 耳・皮 】
側面に刻まれた柔らかな凹凸は、職人の手が導いた自然との対話のあと。刃を入れすぎることなく、木の声に耳を傾けながら、削りすぎず磨きすぎず、ちょうどよいところで手をとめる——。その見極めの妙が、この耳の存在感を際立たせています。どこか彫刻的な立体感があり、見る角度によって印象が変わるのも特徴です。無垢材にふれる歓びを、目でも楽しませてくれます。


【 機能性・使いやすさ 】
ゆったりとした横幅は、大人4人でも十分にくつろげる広さがあり、食事や団欒、軽い作業など多用途に使えます。奥行きには変化があるため、視線にリズムが生まれ、部屋全体に豊かさをもたらします。床に近い高さとの相性もよく、リビングの中心に据えるだけで、空間が柔らかく整います。自然素材ならではの包容力が、暮らしに穏やかな余白をもたらしてくれます。

【 下塗り塗装 】
塗り重ねに宿る、仕上げの土台づくり
この一枚は、ウレタン塗装の下地として、複数回にわたり刷毛で下塗りを施しています。使用するのは、相性の異なる2種類の塗料。それぞれの特性を活かしながら、3〜5回重ねて塗布。ムラなく均一な仕上がりになるよう、細やかさと大胆さを併せ持つ職人の手仕事が求められます。
この下地づくりの精度こそが、最終的な美しさと耐久性を大きく左右します。
見えない部分にこそ、技と想いが込められています。